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釈然としない神戸空港

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神戸沖の滑走路から機体が浮きはじめたと思うと、ジェット音とともに機体がせまってくる。六甲縦走路の旗振山(須磨)はちょっとした飛行機撮影のカメラスポットとなっている。
西陽に埋もれて黒色に染まった淡路島上空をとおりすぎると、機体は空ととけあって輪郭を失い、雲の中に音もなく消えてゆく。わずかの間のできごとである。

神戸に空港ができて便利がよくなったと思っている人がいれば、そうではない人もいる。いまもって、私は空港建設に釈然としないものを感じる。2〜30年先の神戸市民のありようを描いて建設したのではない。神戸に空港をつくれば神戸が元気になるといい、ゆとりある市民生活の願いを打ち砕き儲け本位の姿勢から進められたからだ。

神戸市会には神戸空港の赤字という言葉がいよいよ重くのしかかる。
神戸市民の生活が豊かになる。こういったもくろみが、この4月から開港して半年あまりの間に早くもくずれ、市民生活を豊かにするどころか、脅かそうとしている。

「ストップ!神戸空港」の会のチラシを取り上げてみる。
「神戸空港での搭乗率は62%にとどまり、地方便は20%の利用率で採算のあわない路線の中止も予想される。空港の土地が売れなくて、借金返済のめどがたっていない」「関空と神戸空港を結ぶ海上アクセスは158億円の赤字をかかえたまま再開されたが、1便あたりの平均乗客は17人(120人乗り)で赤字を増やすことは確実だ」 など聞くと、市長の無責任さにたいしてますます憤りが衝き上げてくる。
わずか半年で、空港の赤字返済のめどがたたず、市民生活に充てる予算を食い物にすることは避けられまい。私の考えをたんてきに言えば、新神戸駅を利用している神戸市民がどのくらいいるかが、航空機利用のものさしになると思うが、空港をつくれば、飛行機を利用するビジネス人、観光客が大幅に増えると予測するのは安易にすぎた、くらいは素人目にもわかることだ。このことが利用客の少なさに現れている。要するに、最初から無謀な計画だったのだ。

為政者はいつも自身の政策をやり抜くため、国民の信頼を得られそうなうたい文句を作り立てる。「美しい国」をつくるといえば、ちょっと惹きつけられてみたりもする。ところが、美しい花には、棘があると言われるように、安倍首相は国民に寄り添うかのようにアピールをしながら教育改革を狙っている。いまや、「国を愛する心情」を明記した教育改革の実現にむけてしゃにむに突き進んでいる。
  神戸空港だって、いかにも赤字がないかのように、虚構といってもいいようなことを言いながら実現できるかのように市民に訴えた。そして支持を得た。その結果、「開港半年、もう窮地」ということになって、市民は完全にごまかされ、空港経営をたすけるための税負担はさけられない。
「強烈な金儲けの欲望をもつ」政治家を選ぶのはもうやめたほうがいいと私は思う。赤字を出しても平気な顔で市民にしわ寄せをする、金儲けのためなら煤煙を出して環境を破壊しても平気、金の儲かりそうなところ――たとえば空港ターミナル増築、に群がる、このような政治家はもうこりごり。
戦後いっかんして続けてきた市民いじめ、くたくたになるまで働かせて儲けを自分のものにする、憲法九条をじゃまもの扱いする、こういう為政者とはきっぱりと別れたいものだ。でないと、いつまでたってもいままでの繰りかえしどころか、生活の心もとなさはふくらむばかりで、未来は見えてこない。国民・市民の大多数は毎年、まいとし貧乏に近づいている。ここから抜け出して遠くにある人間らしい生活をたぐり寄せたい、と考えている。

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